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簿記3級の仕訳が覚えられない人へ|「5要素のホームポジション」で判断する方法

2026.06.28 公開
簿記3級の仕訳が覚えられない人へ|「5要素のホームポジション」で判断する方法

簿記3級で最初に心が折れるのは、だいたい仕訳だ。「商品を現金で仕入れた、はい借方は仕入」とすらすら出てくる人を見ると、最初から向いていたように思える。でも、仕訳の学習ツールを作るために初学者のつまずき方をずいぶん見てきて分かったのは、できる人も最初は同じところで止まっていた、ということ。違いは才能じゃなくて、覚え方を切り替えたかどうかだった。

丸暗記でいこうとすると、必ず破綻する

つまずく人のノートは、たいてい取引が一件ずつ書き写してある。「商品を現金で仕入れたら、仕入/現金」「掛けで売ったら、売掛金/売上」。一見まじめだけど、これだと取引のパターンの数だけ覚える羽目になる。3級でも数十パターンあって、本番は同じ取引を言い回しを変えて出してくる。暗記の量で勝とうとすると、試験日までに終わらない。

覚えるべきは、個々の取引じゃない。どの勘定がどっち側に来るかを決める、たった一つのルールのほうだ。そこさえ握れば、見たことのない取引でもその場で組み立てられる。

覚えるのは「5つの定位置」だけ

勘定科目は、必ず5つのグループのどれかに入る。資産・費用・負債・純資産・収益。この5つには、それぞれ「ホームポジション(定位置)」がある。

簿記5要素のホームポジション。借方=資産・費用、貸方=負債・純資産・収益
借方(左)が資産・費用、貸方(右)が負債・純資産・収益。これが定位置

ルールはシンプルで、その勘定が「増えた」ら定位置の側に、「減った」ら反対側に書く。現金(資産)の定位置は借方だから、増えれば借方、減れば貸方。買掛金(負債)の定位置は貸方だから、増えれば貸方、減れば借方。これだけ。表にするとこうなる。

グループ定位置増えたとき
資産(現金・売掛金など)借方借方に書く
費用(仕入・給料など)借方借方に書く
負債(買掛金・借入金など)貸方貸方に書く
純資産(資本金など)貸方貸方に書く
収益(売上・受取利息など)貸方貸方に書く

せっかくなので、3問だけ一緒に解いてみる

ルールは読むだけだと身につかない。実際に頭を動かしたほうが早いので、3問やってみよう。コツは、取引を見たら「何が増えて、何が減ったか」を口に出すこと。

① 商品10,000円を現金で仕入れた。
仕入(費用)が発生した=増えたので、定位置の借方。現金(資産)は出ていって減ったので、定位置の反対の貸方。答えは「仕入 10,000 / 現金 10,000」。

② 売掛金5,000円を現金で回収した。
現金(資産)が増えたから借方。売掛金(資産)は回収されて消えた=減ったので貸方。「現金 5,000 / 売掛金 5,000」。

③ 銀行から100,000円を借り入れた。
現金(資産)が増えて借方。借入金(負債)が増えたので、その定位置の貸方。「現金 100,000 / 借入金 100,000」。

気づいただろうか。3問とも、やっていることは「増減を判定して、定位置のルールに当てはめる」だけで同じだ。取引の見た目が違っても、中身の操作は変わらない。これが暗記しないということ。

つまずくのは、いつも同じ場所

間違えるポイントもほぼ決まっている。先に知っておくと踏まずにすむ。

  • 左右を逆に書く:減ったのに定位置のまま書いてしまうパターン。まず増減を判定するクセを徹底する。
  • 似た科目の取り違え:売掛金と買掛金、未収入金と未払金。「自分が受け取る側か、払う側か」で切り分ける。
  • 商品の扱い(三分法):仕入れたときは「商品」ではなく仕入、売ったときは売上。3級は基本これで通る。

あとは回数

ルールを理解したら、残りは手を動かした回数がものを言う世界だ。読んで分かった気になっても、問題用紙を前にすると手が止まる。借方・貸方の判断を、考え込まずに出せるところまで持っていくのが最短ルートになる。

その反復に使っているのが 仕訳ラボ。本番そっくりの借方・貸方の入力グリッドで日商3級の仕訳を解いて、すぐ採点できる。勘定科目の表記ゆれや入力順の違いを吸収してくれて、間違えた箇所だけハイライトされるので、自分の判断のどこがズレたのかが分かりやすい。詰まった取引は仕訳事典(取引ごとに結論・理由・よくある間違いが1ページにまとまっている)で確認でき、勘定科目集(全77科目)と貸借の検算もついてくる。登録不要・無料で、開いてすぐ解ける。

仕訳ラボの練習画面。借方・貸方を入力して採点できる
借方・貸方を入力して「採点する」を押すと、貸借の一致と正誤を即チェックできる

仕訳は、記憶力の勝負に見えて、実は判断ルールの反復でしかない。5つの定位置を握って、増減を判定して、あとは数をこなす。ここを越えれば、3級の仕訳でつまずくことはほぼなくなる。

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